第6回 【広島県公立高校入試 自己表現】文章の書き方

中学生のみなさん、こんにちは。


2023年より、広島県の公立高校入試の制度改革がおこなわれます。


なんといっても、新制度の目玉は「自己表現」ですね。


でも、これから受検をひかえたみなさんにとっては、悩みの種ではないでしょうか。

どんな準備をすればいいの?

5分間もしゃべれないよ



このように考えている方は、ぜひこのブログを読んでいってくださいね。


長年公立入試の指導に携わってきた筆者が、あなたの不安を解消します。

文字数はどのくらい必要か

まず、台本原稿をつくる際に、何文字程度書く必要があるのでしょうか?


かなり気になる点だと思います。


一般にプレゼンテーションを行う際には、1分間あたり300文字が標準とされています。


「自己表現」は5分間ですから、1500文字程度が必要になります。


ただし、話す速度は人によってそれぞれなので、あくまで目安と考えてください。




また、パフォーマンスを行う場合は、話す時間はもっと少なくなるはずです。


パフォーマンスにかかる時間、スピーチにかかる時間をそれぞれどの程度にするのかを決めて、必要な文字数を算出してください。

どんな文体で書くべきか

国語の授業で「常体」と「敬体」について、学習したことがあると思います。


「常体」は「だ・である調」、「敬体」は「です・ます調」のことでしたね。


作文や小論文では常体を使うのがよいのですが、


「自己表現」のようなプレゼンテーションでは、「敬体」で書きましょう。




その見本として、あなたにおすすめしたいのが、「社会の教科書」です。


社会の教科書は、「敬体」で、しかも簡潔な文章が掲載されています。


社会の勉強も兼ねて、教科書をじっくりと読んでみることをおすすめします。

ビッグワード

筆者が中学生の小論文の指導をしているときに、数多く目にするのが「ビッグワード」です。


「ビッグワード」とは、「受け取る人によって、いろいろな受け取り方をされる言葉」という意味です。


「あいまいな言葉」といってもよいでしょう。




例えば、「A君は頭がいい」と聞いても、どの程度頭がいいのかはわかりませんよね。


それよりも、「A君はテストの平均点が95点だった」と言ったほうが、より具体的に伝わります。


「うれしい」、「悲しい」、「まじめ」、「責任感がある」などの表現をする際は、検査官に伝わるかどうかを考えてみましょう。




ビッグワードを使うこと自体は悪いことではありません。


しかし、その場合は、言葉を補う必要があります。


具体例を入れてみたり、具体的に言い換えた表現を加えてみたりするのがよいでしょう。


「95点」などのように、数字を入れてみることも、あいまいさを防ぐ方法の一つです。

事実か意見か

文には、「事実」について述べているものと、「意見」について述べているものがあります。


あなたが台本原稿を書く場合、この両者を区別しておく必要があります。


自分の書いている文は「事実」なのか「意見」なのか。




両者のちがいを説明します。


「事実」は正解が一つで、だれにとっても正しいものです。


例えば、「カープは広島のプロ野球チームです」という文は「事実」です。


「いや、そんなはずはない」という人はだれもいませんね。




それに対して、「意見」は、あなたにとって正しくても、他人にとって正しいとは限らないものです。


あなたが、「あの映画おもしろかったよ」と言っても、それを聞いた全員が賛同してくれるかどうかはわかりませんね。


「あんな映画のどこがおもしろいんだ」という人がいても、不思議ではありません。

意見には理由や具体例を

事実文には反論の余地はありません。


しかし、意見文は、どうしても、反論の余地が残ってしまいます。


聞いた人全員が正しいと言ってくれるわけではありません。


つまり、「事実」に比べると、「意見」は弱いのです。


そこで「意見」を述べるときは、補強してあげる必要があります。




補強するにはどうしたらよいのでしょうか?


その「意見」に「理由」や「具体例」を添えてあげるのです。


先ほどの映画の例でいえば、なぜおもしろいと思ったのか、具体的にどのシーンが面白かったのか、などを付け加えるのです。


これでも全員の賛同を得ることはできないかもしれませんが、少なくとも、賛同者は増えるはずです。


あなたが特に伝えたいと思う「意見」には、絶対に「理由」や「具体例」を添えましょう。

文章を書いてみよう

文章を書く上で、注意すべき点は以上です。


ここからは実際に文章を書いていきます。


あなたの作った見出しの一つ一つに文章を入れていきましょう。


一文が長くなりすぎたときは、二つの文に分けてください。




できあがったら、修正したほうがよいところはないか、何度も読み直してみましょう。


実際に声に出して読み、5分間以内に読めるかも確かめましょう。


完成したら、台本を見なくても発表できるように、何度も練習しましょう。

まとめ

今回は、あなたが作り上げた「構成」から文章をつくっていく際の注意点についてお話ししました。

今回のまとめ

  • 文字数は1500字程度
  • 文体は「敬体」で、社会の教科書を参考にする
  • 「ビッグワード」は具体的な表現で補足する
  • 「意見」を述べるときには、理由や具体例を添える


「自己表現」の台本原稿のつくり方のお話は第6回をもって終了です。




第7~9回では、「自己表現」について、中学生のみなさんが気になる点について、筆者の考えを述べてみます。


次回は「持ち込み物・タブレット」についてお話しします。


こちらもぜひ、お読みください。